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千枚漬
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京の三大漬物きょうのさんだいつけもの

千枚漬

千枚漬senmaizuke

技で塗りかためず、素材の実力を活かす工夫。

千枚漬

京ことばに「はんなり」というものがある。その意味、響きの柔らかさは、千枚漬にこそふさわしい。千枚漬は、今から百数十年前に生まれた。その頃、孝明天皇の宮中大膳寮に仕えていた大藤藤三郎は、天皇の嗜好に合うよう工夫を凝らしていた。
その彼があるとき、縄手三条下ルにあった漬物屋が尾花川漬として売っていたかぶらの漬物にひらめきを得た。宮中での料理の経験を生かし、漬け方、調味料、風味はもとより、よいかぶらを求め尋ね回り、ようやく聖護院の里のかぶらに出会う。
その後、職を退いた大藤藤三郎氏が「大藤」という店を起こして売り出したその漬物こそが、千枚漬の起源である。その美味は、明治23年に京都で開かれた全国博覧会で全国名物番付けに入選し、需要が急増。 こんにちの「今日に千枚漬あり」の地位を築いた。千枚漬は、他の漬物と違って長期保存を目的とせず、繊細に漬け上げる。その淡味の新鮮さは、幕末から維新の武編者たちまでが「みやこやぶり」と好んだというほど賞賛された。

収穫
もみじが赤く染まるころ「かぶら畑」の収穫が始まります。冷たい空気が野菜のしまりを良くし、そのうまみをひきだし、形よいかぶらを育てます。
洗浄
やさしく、ていねいに水洗いをします。
皮むき
聖護院かぶらをていねいに皮むきしていきます。きれいに皮をむいたかぶらを洗浄し、カンナがけへ移ります。
カンナがけ
ここからが職人の腕のみせどころ。
特製の千枚漬用のカンナでスライスしていきます。
のばし
軽く塩をふって、下漬けします。四斗樽にかぶらにして80個から90個、約2,000枚の千枚漬けを入れます。重石は65キロから75キロぐらい。樽の中で千枚漬は、じっくりと熟成を待ちます。
下漬け
手のひらと指先でトランプを広げるように並べます。
本漬け
しっかりと下漬けしたあと本漬けです。
北海道産の一等昆布、米酢、酒どころ伏見の味醂を加えて、最後まで心を込めて千枚漬に命を吹き込みます。
完成
風味いっぱいの千枚漬の完成です。